JATAC|特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会

特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会
Nonprofit Organization Japan Athletic Trainers Association for Certification

スポーツ外傷・障害予防の立場からスポーツを支えるために NPO法人JATAC事務局
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2010年11月01日

第3回米国アスレチックトレーナー研修

 平成11年8月29日(土)〜9月5日(日)の6泊8日の日程で,米国研修が開催されました。今年で3回目のこの研修は,過去2回同様,オレゴン州ポートランド市にあるポートランド州立大学を会場として,昨年に引き続きアスレチックトレーニング部門,ACSM運動処方部門が行われました。講師にはJim Walis氏(ポートランド州立大学講師,同校ヘッドトレーナー,NATA公認アスレチックトレーナー:アスレチック・トレーニング部門担当),Gary Brodowitz氏(ポートランド州立大学助教授,ACSMディレクター;ACSM運動処方部門担当)を初めてとする大学スタッフを迎えました。
JATAC会員3名(塩井卓広会員:大分県支部,前田為康会員:大阪府支部,竹内繁会員:埼玉県支部),日本スポーツ整復療法学会より田中光男先生,大学生10名(千葉大学5名,大阪体育大学3名,仙台大学1名,北海道教育大1名)に東京YMCA社会体育専門学校より9名の参加がありました。そして,前回参加した菊地晃会員(宮城県支部)の奥様が参加し,引率(筆者)を含めた25名というこれまでで最多の人数による研修となりました。年齢,所属が大きく異なり,多少のジェネレーションギャップを感じながらも研修が始まりました。
到着までに幾つかのハードル?(研修旅行記参照)があったものの,午後3時には全員がホテルに集合しました。昨年は研修期間中雲一つ無い素晴らしい天候で,期間中ポロシャツにハーフパンツという姿で過ごしましたが,今年は様子が違いました。気温が低い上に雨まで降り出しました。Jimに聞いたところ,昨日まで暖かかったのが今朝から急激に気温が下がったとのこと。しかし,天気予報を見ると徐々に回復するようで一安心しました。
初日の夜は例年通り「歓迎レセプション」が行われました。会場は元々学校だったところを改装したレストランです。その会場で少なからずカルチャーショックを受けました。階段の横に必ず手すり付きのスロープがあり,何気なく「改装した時につけたのですか」と質問したところ,「最初から手を加えていない」という返事。たしか資料ではこの学校の創立は1915年だったはず。その時代からすでにバリアフリーの考え方が存在していたのです。今まで「日本はアメリカに20年遅れている」と考えていました。しかし,その認識を改める必要がありそうです。
 4日間の講習は下記の内容で行われました。昨年までと大きく変わった点は,フットボールの練習場が大学構内にでき練習,前後のケアを効率よく見学できるようになったことです。昨年まで車で移動して練習場に行っていたのが,トレーナーズルームのある建物の目の前にフットボール場が完成していました。昨年,菊地晃先生がJimに「バレーボール選手のマッサージをしてほしい」との依頼を受けました。今年は,まるでスタッフの一員であるかのように,塩井,田中,前田,竹内各先生が,女子バレーボール選手をはじめアメリカンフットボール,女子サッカー選手のケアを担当する場面がありました。次の日,先生方の手技の素晴らしさが選手間で話題になったそうです。
夜,大雨が降り2つの部屋がびしょ濡れになったり,タクシーで迎えに行った場所に誰もいなかったり,ホテルの隣室から注意されたりと,たくさんのエピソードはありましたが,無事研修は終了しました。例年通り,Jim,Gary両氏は毎晩ディスカッションに参加してくれました。彼らのホスピタリティとそれを許してくれた二人の奥様に感謝いたします。
 今年は,講習終了後別の都市へ旅立つ参加者が多く,上記の日程通り日本に戻ってきたのは私を含め7名でした。アメリカに残ることができることへの羨望と早く日本へ戻らないと娘に顔を忘れられてしまうのではないかという不安とが交差しつつポートランドを後にしました。1週間後,参加者全員が無事帰国したとの連絡を受けホッとしました。
帰国してすぐにJimからe-mailが届きました。来年はフットボールのNCAA公式戦観戦をプログラムに入れることができそうだという内容でした。ずいぶん気の早い話です。しかし,私が事務局長に任命されて早2年。油断していると何もしないうちにまた1年が過ぎ去ってしまいそうです。   (文責:菊地)

ポートランド州立大学ワークショップに参加して

塩井卓広(大分県支部)、会員番号000610
 1999年8月29日成田空港。菊地先生他ワークショップ参加者集合も片岡先生の姿が見えない(学会の準備で忙しくて参加できないとのこと,残念)。18:05分成田空港離陸。しばし日本国との別れ。さて9時間弱飛行機の長旅,空路の安全を祈り田中先生・竹内先生とで機内食のウイスキーで乾杯。話が弾み追加注文するもスチュワーデスより飲み過ぎストップのサイン。ポートランド上空(曇り),当地でまた29日の朝を迎える。AM10時(時計を合わせる)無事到着。入国審査で私と菊地先生他数名入国するが後の人達が遅い。入国審査官との会話のトラブル(人相違反者?)のようで全員別室に呼ばれていたようだ(注・外国入国時の会話はマスターすること)。空港には,Jim先生,Gary先生が出迎えて下さって2台の車に分乗し宿泊先Doubletree Hotelへ。夕方よりケネディハウス(学校廃校跡改装ビアホール)で,Jim先生より歓迎挨拶,通訳の方Jim,Gary両先生のご家族紹介後レセプション。今回が3回目でご家族の皆さんの応対(身振り手振りEnglishもスロー,でも通訳頼む)も和やかで楽しい時間の流れに時差ボケも解消されたようだ。
 8/30全員ホテルロビー集合,徒歩で大学コミュニティヘルス学部へ。緑が多く空気がおいしい閑静な場所。講習初日,英語は聞き取れないが通訳のお陰で理解できた(JATAC講義と同じ内容)。トレーナールームにて肘・手・指・足関節のテーピング実技後,フットボール選手たちの練習後のクールダウン視察。2,3名の選手にアイスパックのラップ固定をする(皆デカイ)。8/31膝十字靱帯損傷後のトレーニング(ボール,ゴム,トランポリン等)。女子サッカーコーチの膝テーピング実技。私のテーピングをコーチに施し評価上(JATAC OK)。続いてフットボール選手の練習前のトレーナールーム見学。トレーナーの最も忙しい時(テーピングが多い)。Jim先生より私たち4人(田中,前田,竹内各先生)に,負傷選手の治療を任される。身体も腕も足も大きい。こんな選手達を何人も診るとなると大変(かわいい女子バレーボール選手には長く治療していた○○先生)。翌日選手達から良かったと好評の声。9/1フリー。9/2ナイキ本社見学後チームドクター診療所にて専属PTより現場の説明。9/3講習最終日。肩トレーニング,ボール,ゴム,器具等の使用法,PNF,英語と先生にも慣れ実技も先生との談笑の光景が多く見られた。ウエイトトレーニングマシーンの整ったトレーニングルームでウエイトトレーニング方法。以上,実技を主に記す。今回の参加で,自分の指導しているトレーニング法やテーピング法が世界に通用するものと確信できた。夜,Jim先生自宅にて,Gary先生,学部長も出席されてガーデンパーティで別れを惜しみながらも大賑わい。
ポートランド市は人口約157万人のアメリカ北西部第2の都市,オレゴン州で最大の都市である。早朝ジョギングで街を散策。公園(きれい)と花が多く,リバーパークではウォーキングやジョギングの人にたくさん出会った。街の各所にトレーニングジムがあり早朝よりトレーニングをしている人達を見て,健康に対するアメリカ人の意識の高さを感じた。ポートランドの人々は優しく親切,街はみずみずしい緑にあふれ,空気も水もおいしく美しい都市,頭と身体がリフレッシュでき,永住したくなりました。今回帯同してくれた菊地先生,工藤先生には,大変お世話様になりました。

ポートランド研修旅行

竹内 繁(埼玉県支部)、会員番号000642
 初めてのアメリカ、期待と不安で一杯でアメリカ。オレゴン州ポートランドに向かいました。柔道整復関係は5名と少なく、東京YMCA社会体育専門学校、千葉大学、大阪体育大学等と全国各地から多くの学生(15人)が集まり、いろいろな団体の混合グループで、若くてにぎやかな研修でした。
 行きの飛行機では、福岡の田中先生、大分の塩井先生と同じ列に座りいきなり宴会が始まりました。3人ともかなり酔っぱらってしまい回りの人やスチュワーデスさんにもかなり迷惑をかけてしまいました。でも同じ柔道整復師として色々なことを討論しました。これからの柔道整復師のこと、我々が扱っている骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷の急性、慢性についてなどです。塩井先生、田中先生は「慢性疾患が大事だ、慢性疾患は誰が治すのか?」などとよっぱらったせいもありいろいろな話しができました。その日の夕方からはレセプションありました。そこで出された地ビールは安くてとてもおいしいものでした。
 2日目,いよいよ講習開始、はじめに日本人でNATAのライセンスを持ちポートランド州立大学でアメリカンフットボールのアシスタントトレーナーをしているアリコさんからリハビリテーションについて講義がありました。そのあと通訳を介してRICE処置についての講義がJim先生からあり,アイシングのことで討論できました。最新の話題ではシアトルマリナーズではピッチャーは投球後にアイシングを一切せずに下肢の運動、エアロバイク等を20分ぐらいするそうです。そのあとはテーピングをJim先生の指導のもと行いました。3日目もテーピング、リハビリの実技と進んでいきました。4日目はナイキの本社ビルの見学でした。ここでは実 際にシューズを開発している企業秘密のところも見学させてもらいました。足を科学的に測定する機器があり、ここで靴の研究・開発をしているそうです。5日目,リハビリの実技、実際のトレーニングルームの見学。アメフトの練習があり練習前、練習後のケアを見ることができ、Jim先生の依頼で選手のマッサージ等も行いました。この時選手と英語で話したわけですが片言の英語であまり意思伝達ができず悔しい思いをしました。しかしあとで選手から「痛みが取れた。調子がよくなった」と聞き,やはり手技療法は素晴らしいということを改めて実感できました。アメリカではトレーナーはマッサージをあまり行わないそうです。
あっという間の1週間でしたがアメリカの現場を実際に見学でき貴重な体験をすることができました。日本人がアメリカでNATAのライセンスを取って活躍していることを知りとても励みになりました。これからの柔道整復師の1つの形としてNATA等のライセンスを取り、トレーナーとして開業せずに活躍する柔道整復師がいてもいいのではないかと感じました。 
講習 アスレチックトレーニングセミナー ACSM フィットネスアセスメントセミナー
講習1日目 @リハビリテーションの概念と理論(講義)
Aテーピング実技(足関節,手関節, 肘関節)
BNATA' ATCの現状(講義)
C栄養学・エネルギ一生成過程(講義)
@フィットネステスティング(体力測定)
A呼吸循環機能の評価(1):安静時・運動時(最大
及び最大下) 自転車エルゴメーター、トレッドミル
講習2日目 @テーピング実技(膝関節・腰部)
Aリハビリテーション実技(下肢)
Bフットボール練習、トレーナーズルーム見学
@体組成の評価;体脂肪量の推定
AYMCA施設見学
講習3日目 @ナイキ本社視察
Aチームドクターのオフィス視察
Bフットボール練習見学
@ナイキ本社視察
A呼吸循環機能の評価(2):
ロックポートの1マイル歩行テスト
講習4日目 @リハビリテーション実技(肩関節. 肘関節)
Aウエイトトレーニング理論
Bフィットネス・アセスメントテスト(講義・実技)
左記と同じ
最終日 @各種運動のエネルギー量の算定
Aウエイトトレーニング理論
Bフィットネス・アセスメントテスト(講義・実技)
@各種運動のエネルギー量の算定
Aウエイトトレーニング理論
Bフィットネス・アセスメントテスト(講義・実技)
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posted by jatac-atc at 00:12| 海外研修
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写真その5
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写真その6
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写真その7
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写真その8