昨年までの講習と大きく変わった点は,アスレチック部門とACSM部門を組み合わせたことではないかと思います。昨年,一昨年は,アスレチック部門に参加した方から「Gary先生ともう少し話がしたい」「運動処方の講義も受講してみたい」という意見が多数寄せられました。本年度は参加人数の関係で講座を組み合わせざるを得なかったわけですが,そのことが「講師とのコミュニケーションを深める」には好転したようです。
もう一つはアメリカンフットボールのNCAA公式戦を観戦できたことではないでしょうか(残念ながら岸田先生,伊藤先生は観戦日当日に帰国しました)。 ホームゲームのため観客はPSUのファンばかりで,タッチダウンの度に戦車から空砲が鳴り響き観客は総立ち。見事シーズン開幕戦を勝利でかざりました。試合前には選手のロッカールームを見学し,スタッフの補助も行いました。公式戦ということでいつもと雰囲気が違ったように感じました。余談ですが,今年のPSUフットボールチームは過去最強の呼び声が高く,NCAAトーナメント進出はもちろん,NFLのドラフトに指名されそうな選手が2人もいるそうです。
一つ心配なこともありました。我々がポートランドに到着したその日に,Jim先生のお父さんが倒れ,翌日に緊急手術をするというハプニングがありました。幸いなことに手術は成功し,ガーデンパーティには元気な姿を見せてくれました。「急に体の半分が麻痺して動けなくなった。生きることができて良かった。」という話を聞いたときには,思わず手を握って不覚にも涙ぐんでしまいました。
またこのガーデンパーティには昨年講習に参加した竹内先生(埼玉県支部)が駆けつけてくれました。竹内先生は昨年の講習参加をきっかけに,現在ロサンゼルスのジュニアカレッジに留学中です。
今回の研修も様々な出来事,そして出会いがありました。この研修がJATACの発展につながることを願います。(引率責任者:事務局長 菊地俊紀)
研修旅行記
伊藤 孝之(宮城県支部)、会員番号0005238月27日10時20分,オレゴン州ポートランドに無事到着。空港内から見渡す景色は仙台空港と似た印象であった。しかし,言葉,空気の香り,湿度が米国を感じさせた。日本から米国に入国するまでのあらゆる検査機関で引っ掛かったメンバーが約1名(実は私)いた他はスムーズに事が進んだ。初日は,歓迎会ということで,レストランでの夕食となった。明日からお世話になる教授とその家族が同席して下さった。米国流の寛大なもてなしに,あらゆる英単語を並べ感謝の意を伝える。
翌28日,いよいよ講義が始まった。リハビリ,テーピング,運動処方,皆真剣な面もちで受講する。内容はそれぞれの基礎であった。時折「具体的にはどうするのか」といった質問があったが,実施と統計に裏付けされた明確な返答が返ってきた。講義終了後,フットボールの練習と,アフターケアを見学することができた。練習内容は,キャッチボールに始まり試合に近い形で終了という,段階的かつ基本に重点を置いた形式であった。時間にして2〜3時間,その間トレーナーが3〜5人,コーチが4〜5人,常にグランドで待機していた。その間トレーナーは飲料水やアイシングの準備,選手の訴えによりテーピングやストレッチングを行っていた。
充実した1日を終え,ホテルのバーにてジム教授を囲み反省会を行う。教授は「少しでも不明な点があったら解るまで質問して欲しい」とおっしゃっていた。その後観光日が1日あり,正味4日間,瞬く間にすぎてしまった。毎日が本当に充実していた為だったと思う。理論があり, 実施し,統計を取る。そして基礎を確実に行うという姿勢。又,サービス精神や,明確な意思表示の必要性等々,日本では感じ取りがたい事を,米国で得ることができた。私にとって大変有意義な時間であった。今後,これらの経験を活かし,人々の為に役立てたいと思う。最後に,菊地事務局長,工藤先生,田中先生,岸田先生,林君,YMCAの皆様,大変お世話になりました。再び会える日を楽しみにしております。
講習1日目 | @リハビリテーションの原則 Aテーピング実技(踵部、アキレス腱、足底部) Bフィットネスアセスメント概論 C心肺機能評価テスト,体組成評価の原則 |
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講習2日目 | @テーピング実技(膝) A下肢のリハビリテーション BN ATA' ATCの現状(講義) Cフットボール練習前のケア,練習見学 |
講習3日目 | @ナイキ本社視察 AメトロYMCA視察 B皮下脂肪厚測定実習 |
講習4日目 | @テーピング実技(肘、手関節) A上肢のリハビリテーション Bウエイトトレーニングの原則と実践的適応 C筋力,筋持久力,柔軟性の評価 D修了式兼ガーデンパーテイー |
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