第8回米国研修に参加して
伊澤 政男(JATAC東京、伊澤接骨院)今回初めて米国研修に参加し、大学のアスレチックトレーナーの現状と施設の素晴らしさに直接肌に触れることができ大変有意義であった。特に日本との遣いは、選手の健康管理が恵まれていて、専門医、トレーナ一、コーチが一体となって怪我をした選手の早期復帰のための処方をし、毎週カイロプラクティックや鍛治療も行われ、毎日の健康状態が報告されていることである。また、フットボールの練習中、トレーナーは待機して怪我をした選手を現場で対応していた。練習前後のケアも充実していて、テーピングは勿論、低周波の上から氷をあてたり、頚や肩関節に氷をあてながら16℃の半身浴を行う人、腓腹部に氷をあてたままトレーニングルームを出ていく人など「徹底した冷却」には驚きであった。リハビリテーシヨンでは、大・小のボールやホームロールを使ったトレーニング、バランス感覚や敏捷性を高めるトレーニングなど重視していて大変勉強になり今後のトレーナー活動に生かしたいと痛感する。
今回の研修では米国の先生方に暖かい歓待を受け、片岡団長、菊地事務局長始め参加の先生方に大変お世話になり感謝するとともに、今後の研修がJATACの発展につながることを願っている。
ポートランド研修記
佐藤仁美(JATAC長野、佐藤整骨院)今回初めて米国研修に参加いたしました。この研修のあった5月は、ちょうど“SARS"で騒がれている時期でしたが、思っていたほどの混乱はなく、なんとか無事に旅行することができました。長時間のフライトのあと、ポートランドの地に降り立ったとき、自然豊かな景色が自に飛び込んできて、なんだかホッとして旅の疲れが癒されました。アメリカの本土に来たのは初めてのことだったのですが、まず何に驚いたかというと、道路の幅の広さ。狭い日本では考えられないほどの広さでした。道も広ければ、自動車も大きい。パンも12人乗りのものがあり、普段自宅で使用している車がかわいく思えてしまいました。
さらの驚いたのが、食べ物の大きさ。本場のハンバーガーはかなり大きく、一回では食べきれないほどのbigsizeでした。
研修はポートランド州立大学にて行われ、現地のトレーナー活動を見学してまいりました。USAでは、アスレチック・トレーナーという立場が確立されており、選手、監督、医師、団体、学校ともしっかりと連携をとっていて組織化されていることがわかりました。大学内のスポーツ医療現場では、アスレチック・トレーナーはドクターとほぼ対等の立場にあり、お互いに信頼し合って選手のケアをしていることを知りました。日本のスポーツ現場では、チームの中で有力な選手がケガをしていた場合、無理をしてでも試合に出させますが、USAでは、ドクターが“ No"と言えば、コーチもそれを承諾して選手に治療に専念するように勧めます。このように負傷をした選手に対する医療姿勢が日本とUSAではあきらかに違うということがわかりました。この大学の選手たちはしっかりとした医療体制の中でスポーツを行うことができ、大変に恵まれた環境で、うらやましく思いました。
ポートランドに滞在していたのは5日間ほどでしたが、今回の研修で、アメリカのATの現状をこの目で見て、聞いて、実際に体験することが出来たことは、大変に価値のあることだと思いました。実際に体験してきたことをふまえて、これからのトレーナー活動に役立てていけたらと思います。そして、今回、大勢の先生方と共に旅をすることができ、また先生方からも様々なことを学ぶことができて、大変有意義な旅となりました。
研修旅行記
渡辺英一(JATAC神奈川、渡辺接骨院)私は、JATAC並び日本スポーツ整復療法学会が共同開催した、米国アスレチックトレーナー・ワークショップに参加した。このワークショップも今回で8回となり、ワークショップの内容は、今までの参加者の報告とほぼ同じである。しかし、今回のような世界情勢(イラク戦争・SARS)の中、開催されたのは初めてであろう。このような中で実施できたのは、参加するメンバーの意識の高さと、米国アスレチックトレーナーの現状を勉強したいと思う気持ちの強さだと感じた。それは、参加申し込みの取り消しが一人もいないことと、JATAC本部のきめ細かな計画であった。また、参加者の年齢も今までにない年齢層50代以上(著者も含む)者5名の参加である。また、現在米国においてATCの資格に挑戦中の2名の者も参加した。JATAC.日本スポーツ整復療法学会では、米国よりアスレチックトレーナーを講師として招き、トレーナーとしてのスポーツ現場やリハビリでの外傷の対応や、テーピングなどの学術研修会を開催し、多くの者が参加している。また、我々は毎日の臨床並びスポーツ活動で、その成果を生かし多くの結果を得ている。それらの結果は、毎年JATAC活動報告会で、全国各地のアスレチックトレーナー活動として報告されている。今回このワークショップに参加し、米国アスレチックトレーナーと、我々柔道整復師との社会的な役割の違いを感じた。それは、米国のアスレチックトレーナーの仕事が、アスリートの身体健康管理であり、スポーツ選手に限定されているからである。医療者としての社会的役割、治療範囲、治療内容などの遣いは大きい事を感じた。そこで今後、柔道整復師と米国アスレチックトレーナーとの総合的比較が必要であり、それが日本におけるJATACとしての、社会的役割を確立することにつながり広く国民に支持されよう。
米国研修
早川 豪徳(JATAC福岡、北整骨院)ポートランドでの研修は2回目ということもあって緊張せずにリラックスしたムードで受講できました。テーピングの巻き方から上肢・下肢のリハビリテーションやキャステイングの方法まで、事細かく教えて頂き、前回に比べて内容もグレードアップしていて大変勉強になりました。また今回は有資格者の先生方ばかりが集まっていて、その方々の意識の高さや行動力には驚かされるものがありました。
アメリカ滞在中のちょっとの時間も無駄にしたくないとの思いから、毎晩部屋に集まっては勉強会をひらいたり、色々な所を見て回ったりしました。なかでも印象的だったのは、五鳥先生と山口先生と私の3人でポートランドの地元球団であるビーバーズのトレーナーの方と直後お会いして身振り手振り片言の英語をまじえながら野球選手にどのようなトリートメントをしているのか見学させて欲しい旨願い出て許可を得たことです。3人の英語力だけでは不安もあり、見学当日は英語が堪能な小高さん(ロサンゼルス、Azusa Pacific 大学に留学中)にも同行して頂き4人でトレーナー活動を見て回りました。閉鎖的な日本ではまず中に入れてもらうことさえできないと思いますが、アメリカでは試合中のダッグアウト内での見学も許され、アメリカの懐の広さをあらためて感じました。PSUではアメフト選手が大勢、トレーナールームに集まってきではテーピングやコンディショニングをトレーナーの方に要求する風景になれているせいか、野球選手たちはプレーする人数もアメフト選手に比べ少ないので、トレーナールームには専属トレーナー1人と助手1人でPNFやストレッチを受けている選手も1人ないし2人という状態の静かな中で、トリートメン卜が行われていました。そのPNFはトレーナーの方と選手の息がぴったりとあっており、無駄なく流れるような感じでプロの技を見せつけられた感じでした。アメリカから日本に戻ってきてもその時とったピ、デオを繰り返し見て勉強しております。こういう貴重な体験はなかなかできるものではなく、素晴らしい先生方と出会えたからこそ実現できたと思います。本当にありがとうございました。PSUで得た知識と、たくさんの先生方に教えて頂いた事柄を自分の財産としこれから多くの患者やスポーツ選手に役立てていきたいと思います。
講習1日目 | @フットボールチーム練習前のケア見学 Aフットボールチーム実践練習見学―練習後のケア見学 B競技者のための用具・備品の準備 (Rick McReynolds & Dave Vizzini, Equip Coordinator) C上肢(肩・腰部)のリハビリテーション (Saiko Kinugasa ATC/R) |
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講習2日目 | @適切な体重調整 (Dr. Gary Brodowicz) A緊急時の行動手順一理論―フィールドで実習 (Jim Wallis ATC/R) Bポートランド州立大学におけるスポーツ医学チームの構成 (Jim Wallis ATC/R) Cチーム専属外科医の職務 (Dr. Patricia Eiff, Team Physician PSU) Dコーチングスタッフの相互作用 (Tim Walsh. Head Football Coach PSU) E質疑応答セッション (Jim Wallis, Dr. Patricia Eiff, Tim Walsh) |
講習3日目 | @外科的処置後の固定 (Jonathan Huwe ATC/R) Aキャスティング:軽度・強度の固定、パッティング (Duane Duey ATC/R) Bテーピングセッション (Becky Cooper ATC/R) Cトレーニングルーム見学(女子サッカ一、フットボール、陸上競技、女子バレー選手が来室) D女子サッカ一、フットボール練習見学―テーピング実習 |
講習4日目 | @グループ・リハビリテーション (Robert Page ATC/R) A外科的処置後―急性なリハビリテーションの原則 (Duane Duey ATC/R) B腰部のリハビリテーション (Heather Morgan A TC/R) CNBAポートランド・トレイルブレーザーズ施設見学 Dストレングストレーニング実習 |
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![]() 写真その4 |