今年で2回目となった「サマー・ベーシック・ワークショップ」が、9月1日から米国オレゴン州ポートランド市、ポートランド州立大学で開催されました。増原光彦理事(大阪体育大学)を団長に、総勢25名での研修となりました。本協会からは、熊谷佑治、藤本拓也(以上埼玉)、佐藤豪樹(千葉)、井上厚、古賀詳得(以上神奈川)、尾崎弘道、関谷嘉記(以上東京)、羽田野瑞恵(鹿児島)の8名の学生会員が参加しました。 今回は、ポートランド州立大学での研修に加え、ロサンゼルスでのオプショナルツアーが企画されました。引率件通訳で参加した山下篤央先生(東京YMCA社会体育・保育専門学校講師)の母校で本協会竹内繁会員(情玉)、小高行雄会員(愛知)が在学中のアズサ・パシフィック大学(Azusa Pacific University)と牛島詳力会員(大阪)が在学中(修士課程)のカリフォルニア州立大学フラトン校(Cal State Fullerton)の校内とトレーニングルームを視察しました。なんとフラトンの主任教慢でNATA会長のJulie Max氏の母校がアズサ.・パシフィックだということです。アメリカで"Worldis narrowl"と言うかどうかはわかりませんが、「世の中せまい」という使い古された格言を思い起こさずにはいられませんでした。
これまで(同時多発テ口、イラク戦争、SARS、チケット紛失、飛行機乗り遅れ等)と比べると大きなハプニングはありませんでしたが、強いてあげれば訪問直前に起こったディズニーランドの「死亡事故」でしょうか。ひょっとして事故の影響で、クローズしてしまうのでは?という一抹の不安がありましたが、事故を起こしたアトラクションが動いていないだけで、無事に入場できました。ご存じの通りロサンゼルスといえば「治安の悪さ」が有名です。今回、オプショナルツアーに参加したのは大学生と専門学校生19名でした。とても公共交通機関を使ってつれ歩く勇気がなく、比較的治安の良いパサディナのホテルを拠点として、パスを借り切って移動しました。
これまでで、最も内容が濃い研修でしたが、研修日数、移動時間等を考えるともう少しゆったりとしたスケジュールを組むべきだったかも知れません。参加した学生の「帰りたくない、アドバンスも是非でたい」と言う声が地ビールとともに疲れた体を癒してくれました。次年度はもっと素晴らしい研修になることを期待します。(文責:菊地)
第9回米国研修に同行して
増原光彦(大阪体育大学)今回の2003 Summer Workshop in Portland State University NPO 法人JATAC第9回米国研修にぜひ同行してもらいたいと事務局長の菊地俊紀先生から依頼を受け、一端はお断りしたものの、一方JATAC理事として何らかのお役に立つことをしなければと思い、しかし同道しても何の役にも立たないのでは、かえって迷惑をかけるのでは、と言う一抹の不安を抱きながらあえてお引受けした。そして結論的に言うと、「お引き受けして良かったナ一」、という感想である。
本研修団は学生を中心とした総勢約25名であった。予定通りサンフランシスコ経由で現地時間9月1日、4時頃ポートランドシティーに到着、ポートランド大学のGary Brodowiez教授らの出迎えを受け、宿舎に入る。そして早速歓迎の夕食会を開いてもらい、いろいろ歓談する事が出来た。
2日目から本格的な研修に入札まずスポーツ品メーカーの世界的最大手の川IKE株式会社"の本社を訪問、特に研究施設、スポーツ施設の視察を許された。さすがに大企業だけにすべてがシステマティックでセキュリティー対策の厳重さ等にまず関心を持つ。そして、研究者の立場から、研究施設に最も関心を持ち、案内された研究施設のうち、研究装置、器具等については差程注目することは無かったが、研究室全体のシステム、個々の研究員のブース(研究室)と実験室の配置等に注目し、研究室と実験室の有機的な配置や環境に感銘を受けた。
また、従業員用の福利施設としてのスポーツ施設の充実とさらにナイキ直営のフィットネスクラブ、の運用は研究材料の習得の立場からも一石二鳥か三鳥の価値があると思った。従業員家族に対する配慮と健康スポーツの研究資料収集とヘルスケア一、さらにフィットネスクラブ経営による収入の安定性など、また社内に入ると、内容を外部に漏らさないという契約書の取り付け、さらに内部写真撮影の禁止など、企業秘密の漏洩、産業スパイの防止など、万全の対策をとるところは「さすがにアメリカの大企業だな」と感心した。ナイキ視察が終わり、早速ポートランド大学でのまずJim助教授の講義及びテーピング実習がはじまる。小生も学生達とともに受講し、アメリカ大学人の講義方法、内容をつぶさに見聞することが出来た事も大きな収穫であった。また、参加した学生諸君も大変熱心に貧欲に何かを掴んで帰ろうという意欲が見られ、はじめて参加したこのwork shopの企画に感心した。学生諸君もおそらく大きな評価をしている事と思うし、ここで得た体験と知識は必ず個々の人生における大きな糧となったものと確信する。
本企画を企てられたNPO法人JATAC、そしてこの企画の計画からさらに現地でいろいろお世話いただいたJATAC事務局長の菊地俊紀先生、及び東京YMCAの山下篤央先生に心から感謝申し上げる。なお、現地ではGary教授、Jim助教授そしてRandy 講師、及び通訳としてお世話戴いたMiss.Saiko Kinugasaに併せて御礼申し上げる。
研修旅行記
井上 厚 (JATAC神奈川、東京YMCA社会体育・保育専門学校2年)自分がアメリカに行って思ったことは、スポーツの先進国なだけにトレーナーの環境が整っているということです。アメリカでは、トレーナーの資格が公的に認められ、日本と比べてその立場が確立しています。こんなにも違うものかと驚きました。なぜ日本ではトレーナーが重要視されていないのか疑問に思います。まだまだ日本は、スポーツに力を入れていないのか、それとも日本の不景気がスポーツ業界を苦しめてトレーナーを雇うことができないのか、原因はよくわかりません。アメリカでは、大学にスポーツメーカーがスポンサーになっているほどスポーツが盛んです。これから日本はどうなっていくのかわかりませんが、よりよい環境でトレーナー活動ができれば良いと思いました。
アメリカ研修
尾崎 弘道(JATAC東京東京、YMCA社会体育・保育専門学校2年)アメリカ研修に行き、実際にトレーナーの仕事を見て、日本とのトレーナー環境に大きな違いを感じた。まず大きく違うところは、トレーナーの認知度が高く、スポーツの現場で、は欠かすことのできない存在となっていることだ。フットボールではチームにトレーナーが付くことが義務づけられており、見学に行った大学のフットボールチームでは数名のトレーナーが活躍していた。日本では、ここまで力を入れているアマチユアチームはないと思う。アメリカは選手一人一人を大切にし、選手自身もコンディショニングに対する意識が高いと感じた。こういった環境の差がパフォーマンスに影響し、結果に結びついているのだろう。日本でも、トレーナーという職業が世間に認められ、スポーツを取り巻く環境が変わっていくことを願いたい。そして、自分もトレーナ一環境を少しでも変えることができるように努力していきたい。
アメリ力研修に行って
関谷 嘉記(JATAC東京、東京YMCA社会体育・保育専門学校2年)アメリカは想像していた以上に素晴らしい所だった。アメリカに到着するまでは期待よりも不安の方が心の中を占めていた。しかし、比較的治安の良い地域を先生方が選んでくださったこともあり、アメリカでの11日間はとても有意義なものになった。講義の内容は、日本で受けた運動生理学の授業に、さらに専門的な内容が加わったもののように思えた。当然のことではあるが、言葉が遣うだけで自分が覚えていることとさして差がなく、少なからず自信がついた。最もアメリカで自信を持つことがで‘きたものは会話である。日本で約2年間駅前留学していたものの、本当に会話が成立するかどうか不安でしょうがなかった。しかし、思いの外自分の英語が通用することがわかつてくると、街へ出て人に話しかけることが楽しくでしょうがなくなっていった。研修が終わる頃にはアメリカで一人で生きていけると思うくらいに天狗になっていた。言うまでもないが、この研修が自分に与えた影響は多大である。自分の将来への考え方が大きく変わったことも確かである。日本とアメリカのアスレチックトレーナーの現状をよく理解した上で、今後の人生に役立てて行きたいと思った。
講習1日目 | @NIKE World Campus見学 A傷害のケアと予防 (Jim Wallis ATC/R) Bテーピング実技・足関節 (Duane Duey ATC/R) C夕食会 |
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講習2日目 | @運動に対する生体の反応と適応 (Dr. Gary Brodowicz ) A有酸素能力の推定・実習 (Dr. Gary Brodowicz ) |
講習3日目 | @下肢のリハビリテーション (Jim Wallis ATC/R) A傷害の評価・膝関節及び肩関節 (Duane Duey ATC/R) BNCAAフットボール公式戦観戦:ポートランド州立大学VSテキサスA&M |
講習4日目 | @ストレングス&コンディショニング基礎理論(Randy Miller CSCS) Aバランスボールを使用したトレーニング(Randy Miller CSCS) B修了式兼ガーデンパーティー |
特別講習(希望者) | @足関節のリハビリとテーピング(上級編) Aカリフォルニア州立大学フラトン校視察 B投手の肩傷害のメカニズム |