JATAC|特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会

特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会
Nonprofit Organization Japan Athletic Trainers Association for Certification

スポーツ外傷・障害予防の立場からスポーツを支えるために NPO法人JATAC事務局
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2010年11月01日

第17回米国アスレチックトレーナー研修

第17回目を迎えたJATAC恒例の米国研修は、昨年同様自然力イ口プラクティック協会(ANCS)との共催で、ポ ートランド州立大学での研修に加えて、パスティーユ大学(ワシントン州ケンモア市〉での人体解剖実習が行われましだ。新型インフル工ンザが世間を騒がしていましたが、片岡幸雄団長、加瀬建造団長(ANCS)以下24名が参加いだしました。

米国研修の報告

早川 真(岐阜支部〉
平成21年度より新生JATAC岐阜支部の活動が始まりました。JATAC理事の先生からの勧めもあり、支部発足の音頭をとらせてもらったことから支部長にも選んでいだだきましだ。そんなこともあり、個人単位で、JATACの活動を行っていましたが、団体単位で活動を行うことになりました。少しでも本部の考え方を理解し協力するだめに、かねてより、JATACの広報で目にして気になっていた米国研修に参加することにしました。私の接骨院には、若い先生が10名近くいますので、その先生だちに多くの経験を提供するうえでも、そろそろ参加するべきではと思い申し込みました。その結果、貴重な経験をさせていただきましだので、研修などの報告をさせていただきます。「オレゴン州だった」!
ポートランドというアメリ力合衆国の都市に行くことは知っていましたが、前準備などほとんどすることなく参加しただめに何州か知らないままに参加していました。アウトドア派の私にとってポートランドヘ行くことは、あこがれの地(オレゴン州〉に行くことになっていました。Mt.FOOTのあるところだったのです。NIKEの本社があり、コロンピア(アウトドアウ工アーメー力ーの本店〉に行くこともできました。宿泊先は、ポートランド大学の寮でした。短い期間ですが、アメリ力の大学生気分を味わうことができたような気がします。研修揚所は、大学のスポーツ施設です。ポートランド大は、アメリ力の大学の規模としては、そんなに大きいほうではないそうです。ポートランド大の全スポーツに対する年間予算は、8億円位だそうです。たしか、アイオア大は、アメリ力ンフットボールの予算だけで8億円位だと言っていました。日本の大学の実情は知りませんが、日本とアメリカのスポーツに対する考え方の違いや、スケールの違いはあるようです。トレーナーズルームの設備やスタッフの待遇においても感心させられるものが多く、うらやましい思いをしました。職業としてのトレーナーの地位確立がしっかりしていて、そこでもスポーツに対する考え方の違いを見ることができました。 トレーナーの内容としては、私の感想ですが、基本を忠実に行っていて選手の信頼は高く、思つたよりも地道な努力をしていることに頭が下がりました。早朝5時から準備して練習時間(午前8時〉に聞に合わせていました。片岡幸雄先生(JATAC副会長〉の勧めで、加瀬建造先生(米国カイロドクタ一、キネシオテープ発案者〉の許可をもらい、フットボールの選手の施術をする機会がありました。言葉によるコミュ二ケーションはできませんが、施術では気持ちを伝えることができることを感じることができました。テーピングやアイシングについても多く学ぶところがありました。思ったよりもテープはシンプルで基本的で歴史を感じる内容でしだ。テープなどスポーツメー力ーの完全な協力があることはうらやましい限りです。アメリ力ではスポーツに対して、システム化された練習と強力なサポート体制が、年代を問わず出来上がっているように思いましだ。日本国内においても確立してくれることを強く期待したいちのです。
研修前半のポートランドは、あっという聞の4日感でした。最終日、お世話になったJim Wallis. ATC (Head Trainer)の自宅にお招きいただきガーデンバーティーを体験させていただきました。日本人スタッフのYoji Tashiro. ATCにも大変お世話になりましだ。研修後半は、シアトルに移り東洋医学系のパスティーユ医科大学にて解剖の実習を経験することができました。私としては、組織が想像以上に強靭なことに気づき、自身の施術内容の向上を図ることができました。日本人のMasahiro Takakura.ND.LAc.DC に大学だけでなくプライベー卜な時間も大変お世話になりました。初めてベジタリアンのレストラン(大学の食堂〉で食事をしました。結構いけました。シアトルでは、お楽しみの研修もありました。
シアトルマリナーズのセーフコ球場にて、トレーナーズルームの見学をさせていだだきましだ。先発前のピッチャーなどが準備をしているところに入ることができました。日本人のトレーナーも働いていました。少し不機嫌な城島選手とも会うことができました。なんと、ケングリフィーJr.選手と2ショットの写真も撮らしていただきました。試合は、イチ口一選手が2安打の快勝でした。ネット裏での観戦はすばらしいひと時でした。コーディネー卜していだだいた加瀬建造先生の娘さんに感謝しています。まだまだ報告したいことはたくさんありますが、お世話になった先生方〈特に引率してくれた神奈川大学の工藤康宏先生、心強かったです〉やコーディネートしていただいたスタッフに改めて感謝の気持ちを書いて終わらせていただきます。本当に感謝しております、ありがとうございました。

2009年米国研修に参加して

工藤 康宏(JATAC特別会員〉
2009年8月28日金曜日、米国アスレチックトレー二ングと人体解剖実習の研修ヘ出発しました。今回の参加者は全日程参加が16名、AT研修のみの参加が1名、解剖実習のみの参加が4名、団長および引率者が3名の総勢24名であつた。昨年に続き、加瀬建造先生が主宰する自然力イ口プラクティックサイエンス協会CANCS)との共催となりましだ。
日付変更線を越え、現地時間8月28日(金)午前8時30分頃、ポートランド国際空港に到着し、多くのJATAC会員には顔なじみとなったと思われます、ポートランド川|立文学(PSU)のJim Wallis先生の出迎えを受けました。そして、ハリウッド映画に出てきそうなスクールパスに乗り込み、ポートランド滞在中の宿泊先となるPSUの学生寮であるOndineへと移動しました。例年であれば、全米でも住みたい街Top10に毎年入るポートランド市街地を散策してWelcome Receptionとなるのですが、今年は積極的に時差ぼけを解消しようとRandy Miller先生によるストレングストレー二ングの理論と実技講習が実施されました。夕方からは、Mc Menaminsというオレゴンでは自社製ビールを自社レストランでふるまうことで知られる地ビール会社のレストランでWelcome Receptionが聞かれました。
29日、30日午前中は、別表(前頁)のようなスケジュールで、内容豊富なレクチャーと実習となりましだ。Gary Brodowicz教授、Jim Willis PSU ヘッドトレーナ一、そしてLarry Crawshaw教授をはじめとする総勢13名にも及ぶスタッフによる献身的な講義と実習が展開され、研修生も積極的に講義に臨み、多くの質問も寄せられました。30日午後はオレゴン州の名勝地で189メートルもの高さを流れ落ち、年聞を通して水の流れる滝としてはアメリ力国内で2番目に大きなマル卜ノーマ・フォールズと名所旧跡のVista House(見通しの家)、氷沼期末期に氷河がとけながら流れ、断崖を削り雄大な渓谷となったColumbia Gorge (コロンビア沼川渓谷〉を案内して頂きましだ。
明けて31 日はPSUでの最後の研修日で、PSUウエイトルームと大学体育局所属の学生選手のストレングストレー二ングを管理するScott Fabian先生の講習、Larry Crawshaw教授のユニークな体温変化に関する実験実習、学生選手の用具管理を担当しているRick McReynolds氏による講習が午前中に実施されました。午後は、Gary Brodowicz教授による身体組成、運動処方に関する実験実習と、大変充実した研修日となりました。夕方からは本研修恒例となったJim Wallis PSUヘッドトレーナー宅でのガーデンパーティと修了証書授与式でお互いの交流を深める宴を、参加者、PSU関係者とも楽しみました。
9月1日早朝、次の研修である人体解剖実習に臨むためにAm Track(アメリ力鉄道)でシアトルへと移動しましだ。昼過ぎにはシアトル駅に到着し、すでに定宿となった感のあるKing's innヘチェックイン後、多くの映画の舞台ともなったシアトル公設市場Pike place marketを散策し、Sea社1eMarinersの本拠地であるSafeco fieldへと向かいました。ANCSの加瀬団長の計らいで、MarinersヘッドトレーナーであるRick Griffin氏と日本人トレーナとしてMarinersと契約している森本氏の案内でトレー二ングルームの見学と説明を受けました。その際にたまたま居合わせ疋Ken Griffey Jr.選手との写真撮影の機会があったのは、うれしい驚きでしだ。その後、イチ口一選手の故障復帰一戦目となった対アナハイム戦を観戦し、アメリカの最大の娯楽であり伝統文化であるMLBを楽しみましだ。2日(木)8時過ぎ、昨年からお世話になっている解剖実習会場であるBastyr University(パスティーユ大学)にチャーターバスにて約40分かけて移動しましだ。この大学のキャンパスもワシントン州が管理する素晴らしい州立自然公園の中にあり、環境の良い大学です。解剖実習室へ到着し、2時間のインストラクションをしてくださるハサ先生の説明を受け、その後は我々だけで5献体を対象に実習が始まりましだ。パスティーユ大学の学生実習で利用されている見本献体と、ある程度自由にメスを入れられる献体があり、各自興味のある解剖部位を自由にメスを使って細かく検証するとともに、時には加瀬先生を中山としたレクチャーも加わり、9月3日まで熱心に解剖実習を経験することが出来ましだ。 パスティーユ大学でのコーディネートを快く引き受けていただいた高倉先生には、心より感謝申し上げたいと思います。この日の夕方は、シアトルのウォーターフロントにあるシーフードレストランIVar’s内で地元の名物に舌づつみを打ちながら、アメリ力最後の夜をそれぞれ感慨深く過ごしたようです。以上、紙面の都合上簡単な報告ですが、PSUでのアスレティクトレーナーの研修とBastyr Universityにおける人体解剖実習の7日間の研修は大変有意義な研修旅行となりました。継続こそ力なりと申しますが、17回にも及ぶ研修を続けてきたことによるPSUスタッフとの信頼関係は他の組織では決してまねできるものではありません。またこの時期に訪米する「日本のJATAC」はPSUではすでに知られた団体で、大学や学生からち高い信頼と敬意をもって受け入れられています。この研修を始めるにあたり、故ミランPSU教授と片岡JATAC副会長が願ったスポーツによる日米の懸け橋がJATACを通じて形作られつつあることを実感する研修でした。
研修開催にあたり、いろいろお世話になったPSUのスタッフとBastyr Universityに改めて心から感謝を申し上げると共に、この素晴らしい企画を組んで頂き、研修生のご面倒を献身的に見て頂いた加瀬先生、そしてJATAC副会長の片岡先生、コーディネーターの菊地先生、また参加されだ全研修生の皆様に心より感謝申し上げる次第です。
今回共催した自然カイロプラクティック専門学院からの参加者からも感想を伺いましたので掲載いだします。

研修旅行記

私自身、日本で少しずつではありますが解剖学を学び疑問に思ったこと、生のつくりを見るということに興奮していました。靭帯や骨、浅筋膜、深筋膜なども別々に筋膜を見ていきましだ。それぞれの膜組織に特徴があり、薄いが破れにくい膜、弾力はあるけど伸びにくい膜など身体の器官、組織、部位などにより様々な特徴があり、一概に筋肉といっても奥が深いなと改めて感心しました。筋肉の走行や角度、内臓の位置、靭帯の強靭さなどこれまで想像してはいだもののぼやけていたものが、鮮明になり大変有意義な時聞が過ごせました。治療家の方はもちろん、トレーナーの方など人聞の身体をメンテナンス、トレー二ングする人にとっては貴重な時聞が過ごすことができ、後の施術、指導にすぐに役立てることばかりで成長を実感できる実習でしだ。様々な参加者の方と、情報を交換でき実習後も連絡を取り合い、お互いに困ったことがあれば相談できる間柄になれ、様々な分野からの助言もいただけますので自身の視野を広げられた実習となりました。
自然力イ口プラクティック学院(26期生) 川|本隆義

研修旅行記

普段、解剖学や生理学が苦手だった私。参加を決めた頃も、解剖実習に興味はあるけれど、果たしてためになるのだろうか、行ったは良いがよくわからないまま終わって帰ってくるのではないか、という不安を常に持っていました。ところが、参加した現地では、加瀬先生によるオリジナルかつ斬新な切り口で、ポイントを引き立たせた解説と、深い理解に基づく通訳にぐいぐい引き込まれ、人体について面白いように理解でき、内容がみるみる頭に入りました。また、他の参加者との交流できる機会や、観光の時間がたっぷりあって、本当に楽しい、充実した旅行でありました。
自然力イ口ブラクティック学院(26期生) 小林幸彦

研修旅行記

かねてより関心があったアメリ力のアスレチックトレーナーと解剖実習を勉強すべくアメリ力へと飛んだ。アメリカ・ポートランドのアスレチックトレーナーが行なう治療の中にも、やはりキネシオテーピングは数多く使われていました。また、めったにみることができない加瀬会長の神業的な治療をまじかで見ること力ができ、勉強になりました。シアトルでの解剖実習は、実際本物を見ると見ないでは全く違う解剖がわかり、普段わからないところもわかりました。行きからポートランド、シアトル、帰りの最後まで楽しく勉強できたアメリ力研修でしだ。イチ口一見られてよかった。
自然力イロブラクティック学院(26期生) 石田勇樹
講習1日目 @爆発的筋力トレーニング (Randy Miller CSCS)
A筋力トレーニングの基礎 (Randy Miller CSCS)
B機能的な筋力トレーニング (Randy Miller CSCS)
講習2日目 @アメフト練習のための事前準備(希望者のみ5:30から)
Aテーピング講座―足関節 (Hollie Tirrell ATC)
B下肢のバイオメカニクス (Duane Duey ATC)
C傷害治療の概念―急性期のリハビリテーション (Tara Hebert ATC)
Dアスレチックトレーナーの職務 (Jim Wallis ATC)
E膝関節における傷害評価の基本的概念 (Yoji Tashiro ATC and Jim Wallis ATC)
Fテーピング講座:膝関節と手関節
講習3日目 @リハビリテーションの概念 (Kelly Humble ATC and/or Nikki Ward ATC)
A競技向けキネシオテーピングと陸上トレーニング:テーピングを併用した急性傷害のリハビリテーション、 動きのスクリーニング‘機能的な評価 (Jim Wallis ATC with comments by Dr. Kenzo Kase)
講習4日目 @練習の事前準備(希望者のみ5:30から)
Aアメフト練習見学 (希望者のみ7:00から)
B筋力とコンディションの近年の動向 (Scott Fabian, CSCS)
C体温調節 (Dr. Larry Crawshaw)
D選手の装備品フィッテイング手順 (Rick McReynolds. Equip. Coordinator & Brian Weisel. Asst. Equip. Coordinator)
Eウインゲート無酸素性自転車テスト (Dr. Gary Brodowicz)
F最大トレッドミルテストー単段階式トレッドミルテスト (Dr. Gary Brodowicz)
G非運動による最大酸素摂取量の予測―呼吸循環器機能の分類―体組成評価:皮下脂肪厚の測定 (Dr. Gary Brodowicz)
H成人、子供、運動愛好者における体脂肪率の基準 (Dr. Gary Brodowicz)
講習5日目 パスティーユ大学にて人体解剖実習
講習6日目 @パスティーユ大学にて人体解剖実習 
Aパスティーユセンター(付属病院)見学 
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posted by jatac-atc at 00:26| 海外研修