JATAC|特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会

特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会
Nonprofit Organization Japan Athletic Trainers Association for Certification

スポーツ外傷・障害予防の立場からスポーツを支えるために NPO法人JATAC事務局
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2010年11月01日

第18回米国アスレチックトレーナー研修

 第18回目を迎えたJATAC恒例の米国研修は、ポートランド州立大学での研修に加えて、パスティーユ大学(ワシントン州ケンモア市〉での人体解剖実習が行われました。ようやく志願がかない、小野会長の参加を賜り、大学生を中心とし、途中参加や人体解剖実習だけの参加も含めて、22名が参加いたしました。

第18回米国アスレチックトレーニング研修を振り返って

小野清子(JATAC会長〉
 今回、18回続けている米国研修会に念願叶って始めて参加致しました。(事前に聞いてはいたもののポートランドは思いの外寒くてアメリ力大陸西海岸の天候にブルブル。)私は皆さんより4日遅れで現地入りし、到着してまず、研修拠点のポートランド市内の視察ヘ行きました。とても自然豊かで治安もよく、街が碁盤の目状で分かりやすく、ポートランド州立大学を中心に賑わっておりました。滞在中に大学内で開催されているサタデーマーケットにも伺い、野菜、フルーツの市場から日用品、洋服まで何でもあり、家族ぐるみで休日を楽しんでいる姿にとても温かいものを感じました。そして、研修参加の皆さんと合流し、ポートランド州立大学コミュ二ティヘルス学部で行われる実技研修を見せてもらい、ウエイトトレー二ングの方法や狭い廊下にはしご状の図を描き、脚で細やかな素早い動きをするトレー二ング方法などを、参加者の皆さんが実際に体験しながらひとつひとつ学ばせて頂いていました。次にテーピングの現場では、補強しつつ巻かれた人が動きやすいテーピング方法をレクチャー頂き、参加者それぞれがペアになりお互いに試行錯誤しながら巻きあっている生き生きとした姿に感心しました。また、冷水15℃で下半身を冷やしている選手達が、水から上がると脚がとても赤くなっているのも初めて見て、ここまでアイシングをしていいことに驚きました。一夕、Jim Wallisヘッドトレーナーのご自宅にて開催のガーデンバーティにもお招きにあずかり、Jim先生のご子息の専門家としての料理の腕前に参加者それぞれ実習の疲れも忘れて楽しい一夕で感謝でした。ここで研修の終了証明書もJim先生から参加者1人1人に授与され、嬉しさと現地の先生方との別れに涙する参加者もいました。
翌日、解剖実習のためシアトルに移動し、関係者の方のご好意でネット裏にてイチ口一選手が所属するマリナーズと松井選手が所属するエンジェルスの試合を観戦させて頂いたのも大変有難いことでした。私は、翌日帰国致しましたが、メンパーの皆さんが元気で学び、充実した研修をされておられることを大変うれしく思いましたし、片岡副会長、菊地専務理事、工藤理事のご高配に心より感謝し、学ぶほどに学びたくなる米国研修リピーターの方々の存在にも大変心強い思いが致しました。広州アジア競技大会も終わり、2年後のロンドンオリンピックや国内外の各種スポーツ大会等に向けてのそれぞれの立場で選手の技術の向上を支えるトレーナーとしての今回の米国研修の実りある効果を心より期待し、感想と致します。

2010年米国研修に参加して

工藤康宏(JATAC理事〉
2010年8月24日火曜日、米国アスレチックトレー二ングと人体解剖実習の研修ヘ出発しました。今回の参加者は全日程、AT研修のみ、解剖実習のみの参加など、小野会長を団長とする総勢22名でした。特に近年の特徴ですが、大学生や専門学校生など、将来のJATACや日本のAT界を担う学生が10名と約半数を占める人数の参加がありました。日付変更線を越え、現地時間8月24日(火〉午前8時頃ポートランド国際空港に到着し、異国の地ながら会えばホッとする、JimWa1lis PSUヘッドトレーナーとGaryBrodowicz教授の出迎えを受けました。そしてバスに乗り込み、オレゴン州の名勝地であるマルトノーマフォールズと名所旧跡のVista House、氷河期末期に雄大な渓谷となったCo1umbia Gorge (コロンピア河川渓谷〉を観光し、ポートランド滞在中の宿泊先となるPSUの学生寮であるOndineへと移動しました。昨年に引き続き、積極的に時差ぼけを解消しようと、Randy Miller先生によるユニークなコンディショ二ングトレーニングの実技講習が実施されました。夕方からは、Bridgeport Brew地ビール会社のレストランでWe1come Receptionが聞かれました。
25日からは、別表(前記)のようなスケジュールで、内容豊富なレクチャーと実習となりました。Jim先生、Gary先生、Larry Crawshaw教授、学生参加者に大人気のRandy先生、PSU大学体育局所属学生選手のストレングストレー二ングを管理するScott Fabian先生をはじめとする総勢13名のスタッフによる献身的な講義と実習が展開され、研修生も積極的に講義に臨み、多くの質問が寄せられました。最終日夕方からは本研修恒例となったJim先生宅でのガーデンパーティと修了証書授与式でお互いの交流を深める宴を、小野会長はじめ参加者、PSU関係者ともに楽しみました。特に今回の研修では、NBA Port1and Trailb1azersの練習施設、NIKE本社と従業員ショップの訪問、と日本では経験できないプログラムが盛り込まれました。また、Larry先生所有のオレゴンコーストにある別荘へ招かれ、タンジネスクラブという西海岸の名物蟹をみんなで茄でて食べたりと、PSUスタッフとの関係をより一層豊かにする機会もありました。心よりお礼申し上げます。
8月30日、次の研修である人体解剖実習に臨むためにAm Track(アメリ力鉄道)でシアトルへと移動しました。15時過ぎにはシアトル駅に到着し、すでになじみの宿となったKing's innヘチェックイン後、多くの映画の舞台ともなったシアトル公設市場Pikep1ace marketを散策し、Seatt1eMarinersの本拠地であるSafeco fie1dへと向かいました。MarinersヘッドトレーナーであるRick Griffin氏と日本人トレーナとしてMarinersと契約している森本氏の歓迎を受け、イチ口一選手と松井選手出揚という見ごたえのある対アナハイム戦を観戦し、アメリ力の最大の娯楽であり伝統文化であるMLBを楽しみました。
31日8時過ぎ、2008年からお世話になっている解剖実習会揚で、ワシントン州立自然公園の中にキャンパスがあるBastyr Uiversity(パスティーユ大学)にチャーターバスにて約40分かけて移動しました。解剖実習室ヘ到着し、パスティーユ大学の学生実習で利用されている見本献体と、すでにメスを入れられ、関節や人工関節など特徴的な献体があり、各自興味のある解剖部位を細かく検証し、熱心に解剖実習を経験することが出来ました。
パスティーユ大学でのコーディネートを快く引き受けていただいた高倉先生と笹川先生には、心より感謝申し上げたいと思います。以上、紙面の都合上簡単な報告ですが、PSUでのアスレティクトレーナーの研修とBastyr Universityにおける人体解剖実習の研修は、例年に比しても大変有意義な研修旅行となりました。いろいろお世話になったPSUのスタッフとBastyr Universityに改めて心から感謝を申し上げると共に、貴重なお時聞を割いて団長としてご参加いただいた小野清子会長、例年のこととはいえPSUとのやり取りから交通・宿泊の手配まで企画を組んで頂いたコーディネーターの菊地先生、研修生のご面倒を献身的に見て頂いたJATAC副会長の片岡先生、また参加された全研修生の皆様に心より感謝申し上げる次第です。

米国アスレチックトレーナー.研修に参加して

白石 竜朗(順天堂大学3年)
今年の8月に行われたアメリ力でのJATAC主催アスレチックトレーナー研修はとても素晴らしくエキサイテイングなものでした。まず今回の研修は、全日程がトレーナーに関与したものだけでなくアメリ力の文化に触れる機会やウェル力ムパーティーやMLBの試合観戦など、アメリ力を知る機会を与えていただきました。このことはとてもよい経験となり価値観も大きく変えることができました。
また、研修ではATCやCSCSの方が講義や実技を行ってくださる中で、通訳の方が必ずついてくれていたので、講義や実技の多くをそのまま吸収することができ、質問などがあれば丁寧に対応してくださいました。講義や実技を通じて、ATCとしての考えや誇りを感じとても魅力的に感じました。ヘッドトレーナーのJim Wallis先生が「クビになるまで、どんなことがあっても選手を守り続ける。」という言葉は今でもとても印象に残っている言葉です。知識に関しては、現在は翻訳された本もあり、英語論文も大学の図書館でも読むことが出来るので、大きな差はないと思いました。ただ、キネシオの使い方は多様であると感じましだ。
今回、研修会揚の大学はポートランド州立大学でしたが、トレーナーズルームがあり、そこにはリハビリや温冷浴ができる設備が整っていましだ。それだけでなく、ATCやCSCS、用具を担当している人やかかりつけ医など実に多くのお金と人が動いていることを知りました。体育大学というわけではないのに、これだけの設備や人がいるのは日本では考えられないことだと思います。それだけ、アメリ力ではスポーツは文化であって、ビジネスであるのだと思いましだ。最後に、今回のトレーナー研修を通して、アメリ力やトレーナーというものにとても魅力を感じました。また、研修を通して多くの仲間が出来ました。この研修を企画してくださったJATAC、PSUの関係者はじめ多くの方々に感謝を申し上げます。
講習1日目 @時差ぼけのための身体的活動 (Randy Mi1ler CSCS)
講習2日目 @アスレチックトレーナーの職務 (Jim Wallis ATC) 
Aリハビリテーションの概念 (Jonathan Huwe ATC) 
B膝関節における傷害評価の基本的概念(Nikki Ward ATC) 
C手関節と手のテーピング講座:手関節と手 (Kelly Humble ATC) 
Dサッカー練習の事前準備見学(希望者のみ)
Eポートランド・トレイルブレーザース練習施設の見学
講習3日目 @アメフト練習のための事前準備(希望者のみ5:30から)
A爆発的筋力トレーニング (Randy Miller MS CSCS)
B筋力トレーニングの基礎 (Randy Miller MS CSCS)
C機能的な筋力トレーニング (Randy Miller MS CSCS)
Dナイキ本社見学(ナイキ職員専用ストアー含む)
講習4日目 @アメフト練習のための事前準備(希望者のみ5:30から 
A血圧測定実習 (Dr. Larry Crawshaw) 
B選手への装備品フィッテイング手順 (Rick McReynold. Equip. Coordinator & Brian Weisel Asst. Equip. Coordinator) 
C傷害治療の概念―急性期のリハビリテーション (Tara Hebert ATC) 
Dアメフト練習前の事前準備見学 
Eテーピング講座:足関節 (Laura Skarda ATC)
講習5日目 Larry先生の別荘にて休養
講習6日目 @筋力とコンディションの近年の動向 (PSU Weight Room) (Scott Fabian CSCS) 
Aテーピング講座:膝関節と手関節 (Emily ATC) 
B下肢のバイオメカニクス (Duane Duey ATC)  
Cウインゲート無酸素性自転車テスト、最大トレッドミルテスト、単段階式トレッドミルテスト、非運動による最大酸素摂取量の予測 (Dr. Gary Brodowicz)
講習7日目 MLB公式戦:シアトルマリナーズVS口サンジェルスエンゼルス戦観戦
講習8日目 パスティーユ大学にて人体解剖実習
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posted by jatac-atc at 00:27| 海外研修