海外で開催されるワークショップなどにも参加しております。
国立台湾体育学院訪問
平成18年5月のJATAC認定委員会終了後に、委員の一人であるキネシオテーピング協会会長加瀬建造氏と日本スポーツ整復療法学会副会長岡本武昌氏(明治鍼灸大学教授)と親しく懇談する機会があった。その際に、7月末に台湾でキネシオテーピングの講習会があり加瀬氏が講演することを聞き及んだ。私は日頃から台湾の社会や教育に興味を持っていたこともあり、また日本スポーツ整復療法学会(JSSPOT)が台湾から講演者を招聘する予定もあって、是非台湾を訪問したいと考えていた。この機会に思い切って台湾で加瀬氏と合流したいと申し出たところ、超多忙な日程にもかかわらず加瀬氏が講習会終了後3日間お付き合いをして頂けることになった。
小生は成田空港から、岡本氏は関西空港からそれぞれ飛び立ち台北国際空港で合流した。キネシオテーピング協会のご配慮もあり空港では親しく出迎えを受け、岡本氏と車で台北市内のホテルへ向かった。小生にとって初めての台北であり、台北が近代的な大都市である印象を受けた。ホテルで加瀬氏と再会し今後の行動予定について談笑する。加瀬氏は2日間の終日200名以上にも及ぶ参加者への講演にもかかわらず極めて壮健であり相変わらずの超人である。この夜の晩餐には加瀬氏の旧来からの知り合いである現地のスポーツ関係者、理学療法士、業者、遠路からの知人などのメンバー10数名が集まった。50度もある美酒?などの手厚い歓迎を受けながら台湾のスポーツ事情やトレーナーについて会談した。岡本氏と小生は初めてのことでその手厚い歓迎振りに驚きながらも台北の味覚を楽しんだが、ホテルへ着く頃にはダウン寸前であった。加瀬氏は連日の酒宴にも関わらず極めて元気でまさに超人。台湾のアスレチックトレーナーは米国の影響を受けており、理学療法士など医療系とスポーツ科学系の参加が多いという。
深酒をした翌朝、3人でホテルの朝食を頂く。日頃朝食をとる習慣のない小生にとっては恒例のお付き合い朝食であるが、極めて美味なる台湾料理につい食が進んでしまい3人で大笑い。お昼頃、国立台湾体育大学スポーツ医学の駱(通称Mindy)先生が台中から車でお迎えに来られた。車で2時間くらいで台中のホテルに着き、休む間も無く国立台湾体育大学へ向かう。
Mindy先生のご紹介で、彼女の恩師である同大学体育研究所所長の陳教授や多くのスタッフを紹介され友好を深めた。陳教授をはじめ何人かの教授は日本の東京教育大学体育学部(現筑波大学)を卒業したと聞き驚いた。陳教授ご自身は東京教育大学体育学部卒業後、同大学院を修了し、さらに米国オレゴンへ留学した経歴を持つ。実は小生も18年前に文科省(当時文部省)の派遣でオレゴン大学に約1年間留学した経験があったのでこれにはびっくりした。「まるで兄弟ですね」と流暢な日本語で言われてより親密感が沸いたものだ。
台湾体育大学のスポーツ施設ではメインスタジアムの素晴らしさが印象的であったが、その他個々の施設についてはほとんど日本と変わりないように見受けられた。着いて休む間も無く加瀬氏による体育大学生に対する講演が行われた。通訳の陳教授が自ら被験者となって加瀬氏の実技入りの講義が約1時間に亘って行われた。スポーツエリート学生が真剣な眼差しで講義を受ける態度が今も強く印象に残っている。学生にとって滅多に無い講義の機会でありスポーツ科学専攻の学生がトレーナーとして活躍するための必携の技術としてテーピングは欠かせないという意識の故であろう。終了後、Mindy先生同行で地元の中山医科大学へ向かい、加瀬氏と旧知の教授連と逢う。加瀬氏の講演会を是非実施したいとの会談であったように思われた。台湾でも類似本が出るほどキネシオテーピングが普及している実情を伺い知ることができた。夕食は陳教授、Mindy教授、医科大学の鄭教授に関連業者も加えて楽しく会談する。台湾女子サッカーの名手であったMindy先生は元気が良く夕食後10数名の体育大学の学生らとのカラオケに我々を誘う。昨年4月中旬、東京で開催されたキネシオテーピング学術臨床大会にMindy教授と参加した多くの学生もいてすぐに場が和らいだ。加瀬氏のカラオケには拍手喝采で、相変わらず深夜まで加瀬氏が主役であった。日頃学生と接している小生であるが気が弱いせいかなかなか盛り上がれない。
いよいよ最終日、陳教授ご夫妻(実は奥様も日本の拓殖大学をご卒業されている)を交えての昼食と店主の台湾茶による心温かい接待を受けた後、彼らと別れて車で再び台北へ向かう。台北ではメキシコ五輪女子6種競技メダリストであるアジアの鉄人、チ・チェン(紀政)氏に逢う。チ・チェン氏は東洋人では初めての女子陸上競技メダリストであり台湾の英雄である。加瀬氏の旧友でもあり、体育協会の理事長でもある彼女が代表で管理運営している市中のスポーツスタジアムにキネシオテーピングルームを設置しているほどキネシオに心酔している。今や世界に普及しているキネシオテーピングであるが台湾のスポーツ界でも普及の組織的確立を願っているようだ。また行政からの運営委託である市中のスポーツスタジアムは多くのスポーツ競技や各種のイベントが民間人によって計画運営され、大変興味深いシステムであり日本でも普及しつつある。チ・チェン氏も参加した晩餐では地元のスポーツ関係者、理学療法士、業者等が集まり再び歓迎してくれた。日本語が達者な人も多く楽しく談笑できた。集まった人々をみると台湾での加瀬氏の存在の大きさを感じさせるものであった。今回の台湾訪問では全面的に加瀬氏のお世話になり、多くのスポーツ並びに医療関係者と会談できたことは大変有益な訪問であった。次回の訪問では是非ともJATACのメンバーと台湾のアスレチックトレーナー同士の会談を通して将来の連携を含めた友好的な関係ができることを期待したいものである。
最後に多忙な日程の中をお付き合い頂いた加瀬氏と岡本氏に、そして訪問の日程をお世話いただいたキネシオテーピング協会の岡さんに心から御礼を申し上げたい。(文責 片岡幸雄 副会長)
![]() 片岡副会長と岡本特別会員 |
![]() 加瀬先生の実技指導 |
![]() 体育学院学生との集合写真 |
WFATT 2003 World Congress
2001年6月に米国ロサンゼルスにて第1回が開催されたWFATT(World Federation of Athletic Training & Therapy)世界会議が、5月26日、27日の2日間にわたり、カナダ、ブリティッシュコロンビア州ビクトリアで開催されました。前回は16の国と地域から参加がありましたが、今回は、ホスト国カナダに加え、米国、イングランド、スコットランド、日本、台湾(残念ながらSARSの影響で欠席でした)の6つの国と地域から86名の参加がありました。本協会からは、池田克紀理事(東京学芸大学教授)、菊地俊紀事務局長、牛島詳力会員の3名が参加し、その他日本からJATO(Japan Athletic Trainers Organization、鹿倉会長)、日本体育協会の参加がありました。牛島会員は、ロサンゼルス在住で、昨年JATAC会員としては初めてNATAの認定アスレチックトレーナーを取得し、現地からの参加となりました。カンファレンスの最後に、本協会が正式にWFATTのメンバーとして承認されたことが紹介され、次回2005年の開催地がイギリスのエジンバラに決定して幕を閉じました。
![]() 会場のGrand Pacific Hotel。ダウンタウンの中央にあり、ビクトリア第2のホテル。 |
![]() ホテルのロビー横で受け付け。写真右が池田理事、左が牛島会員。 |
![]() 挨拶する大会ホストCATA (Canadian Atheletic Therapist Association)会長 |
![]() カンファレンスの風景。第2回のテーマは「北米スポーツ」。 |
![]() ホテルからビクトリア市街を望む。正面がビクトリアの最高級ホテル、アフタヌーンティで有名な「Empress Hotel」。 |
![]() 会議前日に、有名な「Butchart Gardens」に行って来ました。日本庭園もあり、大勢の観光客で賑わっていました。 |