北海道支部 支部研修会報告
北海道支部も平成7年10月に支部を結成し、早10年を迎え、記念講演会を開催致しましたので報告します。
平成17年10月9日(日)10時から15時まで「かでる2.7」において、中野 偉夫 静岡大学名誉教授(NPOJATAC理事)、片岡幸雄 千葉大学教授(NPOJATAC副会長)を講師にお迎えし、13名(会員9名、他4名)と少ない参加者ではありましたが、参加者一同有意義な講演会となりました。午前は、中野名誉教授に「健康と運動」(良い姿勢とウォーキング)と題し、健康には、運動・栄養・休養を高いレベルでバランスを維持することが大切であるということを皮切りに、生活習慣と生活習慣病、体力の内容と構成因子、姿勢評価、ウォーキングの意義、ポールウォーキングの特徴と効果などの講演をいただきました。午後は片岡教授に「JATACこれからの10年」と題し、今までの10年を総括し今後の10年を生涯教育システム、組織力の強化、国際大会の対応、会員資格の拡大、他団体との関係など、先生の試案を拝聴した後、参加者との討論形式で意見交換も活発に行われました。
当支部は会員も23名と少ないため、会員増強のためには地域貢献が必要などのアドバイスもいただきこれからの支部活動にも一層力を入れて行きたいと感じた一日でした。(文責 佐藤勇司) ※ニュースレポート第33号より
埼玉支部 支部研修会報告
今回の埼玉支部研修会は、過去2回のスポーツ医学ファーストエイドからコースを変更し、AED(自動対外式除細動)コースを受講した。数年前、県内の中学生が野球をしていて打球が胸に直撃し、心臓震盪により命を失うという悲しい事故があった。その場に除細動器を携行し適切な処置が施されれば、彼は助かったかもしれないと報道された。このようにスポーツ現場や日常の医療現場において除細動器の必要性が最近徐々に高まってきたような感じがする。除細動器は、その名のとおり「心臓で起こる細動を取り除く器械」のことである。心臓の細動がないと除細動器は作動しない。すべてアナウンスによって操作方法を説明してくれるので、取り扱いは簡単である。CPRなど救急活動内容の録音機能まで備わっていて救急搬送までの連携に役立つようである。除細動器を施す対象は9歳以上で幼児には使用しない。心室細動が1分間持続すると7%蘇生率が下がり、除細動器を使用すると40%蘇生率を上げることができるようである。講習会はCPRの復習の後、3〜4人を1組で5組に分け、5つのシナリオを課題とし、除細動器を用いた救命訓練の演習をした。参加者の学習力は非常に高く、5つのシナリオ演習をすべて終えたときには、皆ほぼ完璧な処置を施せるよう上達していた。
もう一つ、大災害に備えたトリアージについて実技を交えた講義を受けた。トリアージは、被災者一人に対して30秒以内で行い、限られた資源で最大多数に最善を尽くすことを目的に行う。今回はSTART(Simple Triage And Rapid Treatment)方式で識別し、被災者側とトリアージする側の2組に別れ、実際の現場を想定し演習を行った。被災者側の迫真の演技に、トリアージする側は適切な識別が思うようにできなかったのが印象的だった。トリアージは誰が行ってもかまわないようなので、身近な人に啓蒙していくことも大切であると思われた。何度訓練を行っても実際の現場で生かされるとは限らないので、2年に一回の更新時だけではなく、日頃からトレーニングを積んでいく必要があると思われた。 (文責 金井英樹) ※ニュースレポート第33号より
長野支部 支部研修会報告
- 期日:平成17年7月3日(日)
- 会場:松本市勤労者福祉センター(長野県松本市)
- 内容:「ビジョントレーニング」 講師:田村知則(視覚情報センター所長)
「コミュニケーション・スキル」 講師:藤沢令子(社団法人長野県経営者協会)
静岡支部 支部研修会報告
平成17年11月6日(日)静岡市内、「ラペック静岡」に於いてJATAC静岡平成17年度第2回会員講習会が開催された。朝よりあいにくの天候にもかかわらず県内18名、県外6名の計24名が参加。午前の部は静岡大学助教授の吉田 和人先生をお招きして「下肢のバイオメカニクス」というテーマをスポーツの際の動き方からアプローチした見方を軸に先生自身の体験も交え、ともすれば取り付きにくい内容になるところを大変わかりやすくお話して頂いた。昼食をはさんで午後からは(株)インパクトトレーディング代表横澤隆男様、すがまた接骨院院長でJATAC認定アスレチックトレーナーの菅俣弘道先生の御二人をお招きして「ポディアトリーと足底板」と題して歩行の際のバイオメカニクス、その分析方法から足底板処方実技までを駆け足で紹介していただいた。 この日の静岡はあいにくの雨模様で肌寒い1日であったが、会場内は真剣に聞き入る会員の熱気にそんなことをまったく感じさせないものであった。午後4時、この日の講義すべて終了。山野会長の挨拶により盛会裏に幕を閉じた。
静岡支部では通常年間3回程度の研修会を開催しており、設立以来通算すれば相当な回数の研修会を開催している。手前味噌な話になるがこれだけのレベル、回数を長年にわたり継続しているところは全国でもごくわずかであろう。熱心な会員と、良い研修会を開催したいという熱意有る会長以下役員によってこの会が成り立っているのである。今後も永年にわたり継続できればと切に願ってやまない。 (文責 中山英樹) ※ニュースレポート第33号より
![]() AED実習(埼玉支部研修会) |
![]() 中野先生(静岡支部第2回研修会より) |
![]() 菅俣先生の実技(静岡支部第3回研修会) |
福岡支部 支部研修会報告
NPO法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会(NPO法人JATAC)の第4回認定講習会IN九州が9月18日、福岡大学第二記念会堂(福岡市城南区)で開催された。冒頭主催者である福岡県支部支部長の田中和夫が「柔道整復師がトレーナーとして何を求められて社会的に何が出来るのかそれを探すための指標となるのが研修会である。我々の本業である運動器系の骨・軟部組織疾患に対する施術をじっくり見つめ直し、しっかりとした柔道整復学の研鑽と資質の向上に努め地域社会への一層の貢献と信頼を高めていくことこそ肝要である。」と挨拶した。続いて講演とシンポジウムが行われ、総勢180名の参加者があり盛会に終了した。
ユニバーシアード日本代表監督の乾氏は「トレーナーとドクター、コーチが三者同一のスタッフとして怪我の予防に努め、選手に目標を持たせ、それを意識づける事が大事である」と説明され「今怪我をしていても、数年後の為に今は競技を中断し治療に専念するといった計画と目標に向かっての意識づけをする事、目標の為には今何をするべきかを明確にして選手に「なぜ」を分かりやすく説明しないと選手を導くことはできない」として「ストップをかけられるか、どこで本当に勝ちたいのかなど先を読むことのできるドクター、トレーナーでなければ務まりません」と語った。また「コーチは、常に大きな夢を描いています。トレーナーも大きな夢を描いてください。そして選手に大きな夢を与えて下さい。私は「年中夢求」です。」と講演を締めくくった。また、片岡氏は「トレーナーは社会で必要な人間になってくる」として「総合的に考えて最適な人材は柔整師です」と柔整師のトレーナー活動への参加を呼び掛けた。
この日の講習会で180名の参加者が熱心に聴講され質問もたくさん飛び交った。これだけたくさんのみなさんがトレーナーに対して熱意があり、興味があるということは、こういう方々をバックアップしてトレーナーの資質向上を図り、学問、技術の研鑽とその活動の中核として目標を達成するためのプログラムを作成し、実施していくことがJATAC福岡支部の重要な役割ではないだろうか。この大会を契機として、我々は更に自己研鑽を重ね、新しい学問、技術を習得しスポーツトレーナーとして傷害予防、地域の健康づくり等に大きな役割を果たすべきであろう。今後は支部の活動も、社団・社団外にとらわれず垣根を越えた全ての柔整師が一緒になって行い、さらに柔整だけではなく鍼灸やマッサージの関係の方々を取り込んだ幅広い組織作りをして行き、地域に密着した活動を通じて信頼されるトレーナーを目指して業務の確立、技術の研鑽に日々努力していきたい。 (文責:横山潮)